【株式投資】影響力が強まっているSQとSQ値についての基礎知識

株式投資を始めたばかりの方にとって、SQという言葉は聞き慣れないものかもしれません。

しかし、SQは株式市場に大きな影響を与える重要なイベントです。

この記事では、SQとSQ値について、次のような内容で詳しく解説します。

SQとは何か

SQとは、Special Quotation（特別清算指数）の略で、日経225先物取引やオプション取引などで最終的な決済期日で決済するための特別な価格のことです

先物取引やオプション取引は、現物株と違って決済期日が決まっています。

例えば、日経225先物取引の2023年9月限の場合、2023年9月8日(第2週金曜日)が最終取引日であり、この日までに売買を反対にすることで決済する必要があります。

しかし、実際には、様々な理由で決済しない投資家もいます。

その場合、最終決済期日の翌営業日（通常は第2金曜日）に、SQ値で自動的に決済されます。

これがSQの役割です。

ちなみに、第2金曜日が休業日の場合はその前日がSQ日となります。

SQ値とは、SQで使われる特別な価格（指数）のことです。

SQ値は、毎月第2金曜日（SQ日）に日経225採用銘柄の全ての始値を基に算出されます。

例えば、2023年9月8日（金）のSQ値は、当日の日経225採用銘柄の全ての始値を使って計算した指数がSQ値になります。

このSQ値が、2023年9月限の日経225先物やオプションの最終的な決済価格になります。

SQ値は、日経225構成銘柄の始値を元に算出します。

基本的な計算方法は日経平均株価と同じです。

しかし､日経平均株価の始値とは乖離する可能性があります。

日経平均株価の始値は､9時0分15秒の時点で日経225構成銘柄の始値を元に算出します。

まだ寄り付いていない銘柄が存在する場合、気配値等を用いて算出します｡

SQ値は､日経225構成銘柄がすべて寄り付いた後に算出します。

ゆえに、超絶好材料が前日夜間に発表された225構成銘柄が存在した場合、なかなか寄り付かずに前場が終わってしまい、後場で寄り付きSQ値が確定するといったこともありえます。

このため、SQ値と日経平均株価の始値はずれることがあります。

SQ日とは、SQ値が決まる日のことで、毎月第2金曜日になります。

ただし、SQ日には役割によって4つの意味があります。

先物のSQ日：先物取引の限月が3月・6月・9月・12月の年4回あるため、3月・6月・9月・12月の第2金曜日が先物のSQ日となります。
オプションのSQ日：オプション取引の限月が毎月あるため、毎月第2金曜日がオプションのSQ日となります。
メジャーSQ：先物のSQ日とオプションのSQ日が重なる3カ月に1回のSQ日のことで、3月・6月・9月・12月の第2金曜日がメジャーSQとなります。メジャーSQは、先物やオプションを多く保有する投機筋が有利な水準で決済しようとするため、株価が荒れやすいことで知られています。
マイナーSQ：メジャーSQ以外のオプションだけ(日経225miniも加わりました)のSQ日のことで、1月・2月・4月・5月・7月・8月・10月・11月の第2金曜日がマイナーSQとなります。

SQは、先物やオプションに関わりが深いイベントですが、現物株にも影響を及ぼします。

その主な理由は次の2つです。

裁定取引の解消：裁定取引とは、現物株と先物やオプションを同時に売買して利益を得る取引です。裁定取引を行う投資家は、決済期日に向けて現物株と先物やオプションを同時に決済します。そのため、現物株にも売買圧が発生します。
幻のSQ：幻のSQとは、現物株を持っている投資家が、自分に有利な水準で決済されるように現物株を売買することで、人為的にSQ値を操作しようとする現象です。幻のSQは違法ではありませんが、不公正な取引として批判されています。

メジャーSQ日の寄付前の気配値がめちゃくちゃになり、トレードの参考にまったくならなくなるのはみなさんも経験したことがあると思います。

また、１，２週間前からSQ日の値を意識した大口投資家の揺さぶりが顕著になり値動きが荒くなる傾向が強くなっています。

日経平均が2000円近く動くこともありますので、取引が難しくなった印象です。

本当にわけのわからない値動きをしますので・・・

メジャーSQが近づいてきたタイミングでの取引は、大きく張らない方がいいかもしれません。