株を購入する際、高値掴みを避けたいと思うのはトレーダーの共通心理です。
株価は、企業の現時点の収益性や将来的な収益性の伸びへの期待感・失望感に左右されます。
そのため、ある銘柄の株価動向を予測したい場合、できる限り優秀な企業、収益性のよい企業を知りたいというのは当然の流れです。
そこでよく参考にされる指標となるのが、ROAです。
当記事では、ROAの計算方法や、ROAの活用方法について解説したいと思いますので、興味のある方は一読ください。
ROA(Return On Asset)とは?
ROA(Return On Asset)とは、総資産利益率のことで、企業の収益性を測る指標の一つです。
総資産(流動資産+固定資産)に対して、どれだけの利益を生み出せたのかを表します。
この数値が高いほど、収益性が高いとされます。
収益性が高い=商売上手ということで、将来的にも成長が見込める企業が多いという判断ができますね。
ROAの計算方法
ROAは、以下の計算式で計算されます。
ROA = 当期純利益 / 総資産
例えば、ある企業の当期純利益が1億円、総資産が10億円の場合、ROAは10%となります。
ROAが高い企業の特徴
ROAが高い企業は、以下のような特徴があります。
- 効率的な経営を行っている。
- 収益性の高い事業を行っている。
- 資産を有効活用している。
- 競争力の高い企業。
要は、儲かるフィールドで効率的に利益を上げている企業と言えます。
戦う場所の選定もよければ、戦い方も上手ということです。
そのため、投資家は、ROAが高い企業の株式に投資することで、利益を得ることができる可能性があります。
ROAの活用方法・活用時の注意点
ROAが高い企業を選定することで、将来的に成長する可能性の高い企業をスクリーニングすることができます。
ROEなどの他の
ただし、注意点もあります。
ROAが高い企業でも、業績が悪化している企業や、将来性が明確ではない企業は、投資価値が低い可能性があります。
また、ROAが低い企業でも、業績が好調で、将来性のある企業は、投資価値が高い可能性があります。
あくまで現状においての数値であることは認識しておく必要があります。
複数年に渡るROAの推移なども確認する必要があります。
また、業種によってROAは変わってきます。
一般的に、ROAが低い業種は、次のようなものがあります。
- 小売業
- 卸売業
- 運輸業
- 通信業
- サービス業
これらの業種は、競争が激しく、利益率が低い傾向にあります。
また、設備投資や人件費などのコストがかさむため、ROAが低くなる傾向にあります。
逆に以下の業種はROAが高い傾向にあります。
- 医薬品製造業
- 情報通信業
- 電気機器製造業
- 機械製造業
これらの業種は、いずれも高い技術力やノウハウを必要とする業種であり、高い収益性を実現しています。
最近では、半導体関連企業や海運関連企業などがROAが高いですね。
ですので、業種が異なる企業をROAで収益性の判断を行うのはミスリードを引き起こすので注意が必要です。
同業種の企業比較に使いましょう。
最後に
ROAは、株式投資の銘柄選びに役立つ指標ですが、他の指標と併用して分析することが重要です。
ROAを利用する際には、業種別の平均ROA、将来の成長期待、他の指標を考慮して活用しましょう。
最後に念のために書かせていただきます。
投資は自己責任でお願いします。
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