【株式投資】デイトレーダーの強い味方!?信用取引とは?初心者向けに解説【デイトレ】

投資

株式投資を行う上で、信用取引は重要な取引手段の一つです。

 

信用取引を利用することで、取引可能額の拡大や売り(ショート)のポジションを持つことができます。

 

また、大手証券会社では1日信用取引の売買手数料を無料とするサービスが提供されていますので、デイトレードを行うのであれば、取引コストを大幅に削減することが可能ですし、現物取引とは異なり回転売買が可能になりますので、1日の中で同じ銘柄を繰り返し売買できるようになります。

 

開設すれば、非常に便利になる信用取引口座ですが、借金を背負うリスクもありますので、無知なまま口座開設、信用取引を行い始めるのはやめましょう。

 

現物取引よりも便利になりますが、リスクも増えるというのがポイントです。

 

本記事では、初心者の方に向けて、信用取引の基本的な概念、特徴、リスクについてわかりやすく解説します。

 

信用取引とは?

 

信用取引は、証券会社を介して一定期間の間、所定の金額の担保を預けることにより、その担保を利用して株式などの金融商品を取引する方法です。

 

通常の現物取引と比べて、証券会社からの融資を受けることで、より多くの株式を取引することができます。

 

とても簡単に砕いて説明するなれば、「証券会社に借金をして取引を行える」仕組みです。

 

自己資金を超えた取引が可能になるため、儲けのチャンスも増えますが、最悪の場合は借金を背負う可能性もあります。

 

借金を背負うようなことは、よほどのことがない限りありえないレベルの確率ではありますが・・・

 

また、借金をしての取引となりますので、少なからず金利がかかります。

 

利率は証券会社によって異なりますが、年率2.8%程度です。

 

仮に100万円の銘柄を6か月(180日)の間、制度信用取引を利用して買いポジションで持つ場合、14000円程度の金利がかかることになります。

 

スイングトレードでの利用であれば、1週間程度の保有と仮定すると400円程度のコストですので気にならないレベルだと思います。

 

長期で保有する場合は、金利も馬鹿になりませんので、現物取引で購入した方がよさそうです。

 

ちなみに、1日一般信用取引の場合は、金利が0%で設定されていることが多いようですので、デイトレードでは気にしなくても問題ありません。

 

あと、株を安く購入し、高く売るという買い(ロング)ポジションのみしか構築できない現物取引の概念から考えると不思議な感覚に陥りがちなのですが、株を借りて高く売り、安く買い戻して株を返却するという空売りと呼ばれる売り(ショート)ポジションを構築することも可能です。

 

空売りを使うことで、下落相場においても利益を得ることが期待できます。

 

最後に、信用取引は、買いポジションであっても売りポジションであっても、「借用する」という概念が存在するため、「担保を要求される」という概念もセットになります。

 

このため、証拠金と呼ばれる担保を要求されるため、最低でも30万円の資金を準備しないといけません。

 

10万円、20万円の資金では信用口座の開設すらできず、30万円の資金を用意して口座開設し、信用取引で株を購入したとしても、株が値下がりしたことで資金が30万円を下回った場合は、追加資金の入金をせまられる追証という状態になる点も注意が必要です。

 

信用取引のメリットとデメリットについて

 

先に概要のみ説明しましたが、改めまして、信用取引のメリットとデメリットをお話します。

 

メリット1:1日信用取引は、売買手数料が無料

 

デイトレードやスキャルピングをメインとするトレーダーにとっては、売買手数料が無料になるのことが最大のメリットです。

 

残念ながら、スイングトレーダーや中・長期保有目的の方には関係のない話ですが・・・

 

わたしの利用している楽天証券では、現物取引の場合、100万円までは無料、それ以降は100万円ごとに3000円程度の売買手数料を取られます。

 

100万円までは無料といえど、50万円程度の銘柄を2回売買するだけで100万円の取引を超えてしまい、3000円の手数料を取られてしまいます。

 

実際にデイトレードを行ったことのある方であれば分かると思いますが、50万円程度の銘柄で3000円の利益を得るのは意外に難しいです。

 

10000円の利益を得るにも、その日の高値と安値をどんぴしゃで当てて売買しないと難しいことも多いです。

 

そのため、デイトレードやスキャルピングでは1日に10回から100回程度の売買を繰り返すことが多く、そのような売買を行っていては手数料が2万円、3万円とどんどんと膨らんでしまい、株で得た利益が売買手数料で全部溶けたというようなことも起こります。

 

売買手数料は意外に無視できません。

 

その売買手数料が、1日の中での往復売買に関しては一切かからなくなるということは強烈なメリットとなります。

 

投資初心者にとっては、トレードの試行回数を増やすことが上達の道でもあり、売買手数料を気にせずに手数を積めることもメリットになると言えるでしょう。

 

メリット2:回転売買(差金決済)が可能

 

こちらもデイトレードやスキャルピングをメインとするトレーダーにとってのメリットとなります。

 

現物取引では、1日の取引時間内で、ある銘柄を買って売るだけでその売買高の資金を拘束されてしまいます。

 

ざっくりとした説明になりますが、以下のような状況が起こります。

 

100万円の資金で現物取引を行うとします。

 

60万円のA銘柄を購入し、62万円で売却します。

 

手元には102万円の資金があるわけですが、A銘柄が60万円まで値下がりしたので、再度買いたいと思い、購入注文を出そうとしました。

 

しかし、「差金決済になるため購入できない」という旨のメッセージが表示され、注文ができませんでした。

 

102万円の資金が手元にあるのに、なぜ?

 

という状況に陥ります。

(A銘柄は再購入できませんが、60万円のB銘柄であれば新たに購入することは可能です。また、40万円のC銘柄であれば、新たに購入→42万円で売却→40万円で再購入→42万円で再売却までは可能です。しかし、40万円での再々購入はできません。これは、80万円までの取引は100万円の資金内なので可能ですが、再々購入しようとすると120万円の取引をしようとすることになり、100万円の資金を超えてしまうからです。)

 

なぜなら、金融当局は現物取引において差金決済を禁止しているからです。

 

しかし、信用取引においては差金決済は禁止されていません。

 

ですので、上記の例に挙げたA銘柄の売買を何度でも行うことが可能です。

 

A銘柄を60万円で購入→60万5000円で売却→60万円で再購入→61万円で売却→60万円で再購入→59万7000円で損切りといった売買も可能となり、トータルで1万2000円の利益を得るといった取引ができるようになります。

 

もちろん、いくらでも負けトレードを繰り返すこともできるため、1日のトレードで10万円以上の損失を出す可能性もあるわけですから、差金決済が可能になったからといって、投資初心者は根拠のない額面の大きいトレードを乱発するのは避けた方がよいでしょう。

 

大型メジャー銘柄の中にも10万円以内で購入でき、1日の動きの中でも上下1000円程度しか動かないような銘柄もありますので、少額で購入できる銘柄でトレード練習を繰り返し行えるというメリットを活かしたいところです。(三菱UFJフィナンシャルグループやENEOSなどはおすすめです)

 

メリット3:資金効率の向上(レバレッジ効果)

 

信用取引を活用することで、自己資金の効率的な活用が可能となります。

 

少額の証拠金で大きな取引を行うことができ、ざっくりとですが、自己資金の約3.3倍まであつかる資金が増えます。

 

手元資金が100万円の場合は、信用取引を利用することで330万円の株を購入することが可能ということです。

 

いわゆるレバレッジをかけることが可能となります。

 

投資額が増大することで、利益も増大する可能性が高まります。

 

しかし、損失も増大する可能性が高まりますので、注意が必要です。

 

特に、投資初心者の場合は、銘柄選定や資金管理、ロスカットなどのレバレッジをかけた取引に必須となる知識が不足していることがほとんどですので、信用取引のメリットの1つである資金効率向上に関しては自制し、使用しない方がよいでしょう。

 

証拠金の一部で株式を購入し、その取引価格の上昇によって利益を上げることができます。これにより、投資リターンが増加する可能性があります。ただし、レバレッジ効果は利益の増大と同様に損失も増大させることになるため、注意が必要です。

 

メリット4:売り(ショート)ポジションの構築が可能(空売り)

 

信用取引では、株式を保有していない状態でも売りポジションを構築することができます。

 

いわゆる空売りが可能になります。

 

売りポジションを構築することで、下落相場の中、株価が下がる状況にあっても利益を得ることができます。

 

空売りを利用して利益を上げるトレーダーをショーターと呼び、空売り専門で利益を得るような方もいます。

 

しかし、これも投資初心者にはおすすめしません。

 

株式投資の参加者は、ほとんどが買いで参加しており、企業も企業価値を高めるために日々努力しています。

 

よって、株価は上昇する方にバイアスがかかりやすい状況にあります。

 

それでも市場環境の悪化などで致し方なく株価が下がることがあるというのが株式市場です。

 

メインは買いでのエントリーとし、リスクヘッジとして空売り(ショート)を利用する程度に考えた方がよいとわたしは考えます。

 

また、買いでのエントリーは、仮に企業が倒産してしまったとしても株価が0円になるのが最悪の結果であり、それ以上の損失は発生しません。

 

しかし、売りでのエントリーは、仮に企業が世界初となるような画期的な技術を発表し、株価が2倍になったとしてもさらに上昇していく可能性があります。

 

損失に上限がなく、青天井に損失が膨らむ可能性があるということです。

 

当然、資金よりも多額の損失が発生する可能性もあるため、安易な空売りはリスクが高いことを意識しておきましょう。

 

デメリット1:リスクの増大

 

何度もふれてきていますが、信用取引はレバレッジ効果を活用するため、損失を負うリスクも増大します。

 

そして、証拠金維持率の要件を満たせない場合は追加証拠金の要求(追証)や強制決済のリスクも存在します。

 

リスク管理、資金管理、慎重な銘柄選定が必須になりますので、ある程度の知識が必要です。

 

無知の特攻はやめておきましょう。

 

デメリット2:心理的な負担

信用取引は市場の変動により損益が急激に変動するため、投資家の心理的な負担が増大する場合があります。

 

また、株価の急落や証拠金要件の変動(増し担と呼ばれる)によっては、ポジションを維持するための追加資金の必要性が生じることもあります。

 

資金管理の範疇にもなるのですが、フルレバポジパンといわれる全力買いをするとうまく上昇相場に乗れている時はいいのですが、少しばかりの下落に遭遇するだけで精神状態を保つことができなくなります。

 

わたしもフルレバ全力ポジをもつことは絶対にないです。

 

とくにロスカットを冷静に行えなくなるのが致命的だと思います。

 

お祈りしちゃうんですよね・・・

 

投資家は市場の変動に対して冷静な判断力を保つ必要があります。

 

レバレッジがかけれるとはいえ、自制できる範疇で資金を入れるようにしましょう。

 

デメリット3:限定的な銘柄と制約

 

信用取引は一部の銘柄は取引できないなどの制限を受ける場合があります。

 

証券会社や取引所によって信用取引が提供される銘柄や条件が異なるため、投資家は利用できる銘柄や制約事項を確認する必要があります。

 

また、信用取引の制約によって投資戦略が制約される場合もあります。

 

現物取引では、ほぼ制約なく株式を売買可能ですが、信用取引では制限がかかるケースがあることは意識しておきましょう。

 

信用貸株金利の計算方法について

 

先に少し触れましたが、信用取引では貸株金利がかかります。

 

貸株金利の計算方法について、以下に例を挙げて解説します。

 

信用貸株金利=2.8%で月曜に100万円のA銘柄を信用買いし、2日後の水曜日に110万円で
返済売りした場合の想定です。



月曜日に100万円の信用買い=約定金額100万円

 

この約定金額100万円に対して、2.8%の金利がかかります。

 

月曜日から2日後の水曜日に110万円で返済売りすると金利計算日数は、「木・金・土・日・月」の5日分となります。※非営業日の土・日も含みます。

 

信用買の受渡日=木

返済売の受渡日=月



上記の内容を元に、計算式に当てはめます。

 

【計算式】
約定金額×(金利計算日数÷365)× 貸株金利

 

【実際の計算式】

1000000×(5÷365)×0.028=383円

ということで、金利は383円ということになります。

 

制度信用取引の最大期間である180日保有すると、14000円程度かかりますので、可能であれば長期保有の場合は現物取引を利用しましょう。

 

最後に

 

信用取引は、株式投資において一定のリスクを伴いながらも、投資の拡大や売りポジションの取得などのメリットを提供してくれる手法です。

 

しかし、リスクも忘れずに理解し、慎重に取引を行うことが重要です。

 

投資初心者の方は、充分な知識と経験を積んだ上で取り組むようにしましょう。

 

最後に念のために書かせていただきます。

 

投資は自己責任でお願いします。

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