【株式投資】トレンド相場の我慢ポイント、日柄調整と値幅調整とは?【テクニカル分析】

株式投資をしていると、株価が上昇したり下落したりすることはよくありますが、その中には調整相場と呼ばれるものがあります。

 

調整相場とは、株価が一方向に動いた後に、その動きを一時的に止め、踊り場のような期間が訪れる状態のことです。

 

例えば、上昇トレンドの途中で一時的に株価の動きが少なくなり、値幅の小さなレンジ相場になったり、日数は少ないですが急落が訪れたりといったのが調整相場の例です。

 

これは、相場の過熱感を嫌がるトレーダーが多く、一方向に永遠と動くような値動きをよしとしないことが原因で起こります。

 

冷ましを入れると表現されることもあります。

 

調整相場は、息の長いトレンド相場ほど必ず訪れるものです。

 

調整のないトレンド相場は一過性のものが多く、ごく短期間で終わってしまいがち。

 

調整のあるトレンド相場の方が健全であり、大きな利益をもたらしてくれます。

 

しかし、調整入りしてすぐのタイミングでエントリーしてしまうと中期的に値動きが限られたり、大きな急落に巻き込まれることになるため、精神的にしんどいです・・・

 

そこで、この記事では、株式投資のテクニカル分析の観点から、

  • 調整相場とは何か?
  • 調整相場の種類は何か?
  • 調整相場を見極める方法は何か?
  • 調整相場を攻略する方法は何か?

などについて解説していきます。

 

この記事を読むことで、調整相場について理解を深めるだけでなく、調整相場を利用したトレードのコツも学ぶことができます。

 

ぜひ参考にしてみてください。

 

調整相場とは?

 

調整相場とは、株価が一方向に動いた後に、その動きを一時的に止めて反対方向に動くことをいいます。

 

 

このチャートでは、①の2か月ほど続いた上昇トレンドの後、②のわずか8日間程度で①で上がった値幅分を全戻しする急落が発生し、値幅調整が入っています。

 

この値幅調整の後、③の長期上昇トレンドへと移行していきました。

 

このように、株価が一方向に動いた後に反対方向に動くことを「調整」と呼びます。

 

では、なぜ株価は「調整」するのでしょうか?

 

それは、株価が一方向に動くと、その動きに乗ろうとする人や逆張りしようとする人など様々な人たちの売買が発生するからです。

 

例えば、株価が上昇している時は、

  • 上昇トレンドに乗ろうとする人や遅れて参加しようとする人が買い注文を出す
  • 利益確定や空売り(値下がりを狙う売り)しようとする人が売り注文を出す

など様々な売買が発生します。

 

このような売買のバランスが崩れると、株価は反対方向に動き始めます。

 

例えば、株価が上昇している時に、

  • 利益確定や空売りの売り注文が多くなる
  • 上昇トレンドに乗ろうとする人や遅れて参加しようとする人の買い注文が少なくなる

という状況になると、株価は下落し始めます。

 

このように、株価が一方向に動いた後に反対方向に動くことで、売買のバランスを調整することを「調整相場」と呼びます。

 

調整相場の種類は何か?

 

調整相場は、大きく2種類に分けることができます。

 

1つ目は「値幅調整」と呼ばれるもので、もう1つは「日柄調整」と呼ばれるものです。

 

それぞれ見ていきましょう。

 

値幅調整とは?

 

値幅調整とは、株価が大きく上昇(下落)した後に、株価が反対方向に大きく動くことで調整することをいいます。

 

先ほどのチャートがまさに値幅調整の動きですね。

 

 

②の箇所の急落箇所が値幅調整です。

 

値幅調整は、株価の上昇(下落)幅の大きさに比例して大きく、また急激に起こる傾向があります。

 

そのため、値幅調整は見極めることが難しいだけでなく、巻き込まれると大きな損失を出す可能性もあります。

 

値幅調整を見極めるためには、以下のようなポイントを押さえておくと良いでしょう。

  • 株価が急激に上昇(下落)した時は注意する
  • 株価が過去の高値(安値)や重要なサポート・レジスタンス(支持・抵抗)ラインに接近した時は注意する
  • 株価が反対方向に動き始めた時は、その動きが一時的なものか本格的なものかを判断する
  • 株価が反対方向に動き始めた時は、移動平均線やトレンドラインなどのテクニカル指標を参考にする

 

日柄調整とは?

 

日柄調整とは、株価が大きく上昇(下落)した後に、株価が反対方向に動かずに横ばいに推移することで調整することをいいます。

 

例えば、以下のチャートを見てみましょう。

 

 

①でゆるやかな上昇相場があり、最後の3日ほどで急騰しました。

 

その後、約2か月に渡り、小幅な値動きのレンジ相場に突入しています。

 

そして、その後にレンジを上方にブレイクアウトし、息の長い上昇トレンドへと移行しました。

 

このような長い期間の横ばいとなる調整を「日柄調整」と呼びます。

 

日柄調整は、値幅調整に比べると株価の動きが緩やかで、落ち着いて対応することが可能です。

 

日柄調整の期間は一定ではなく、期間が長いほど「調整」が終わりを迎える時がわかりやすいため、投資家の注目を集めやすくなります。

 

日柄調整は投資家の注目が集まりやすいこともあり、調整が完了し株価に動きが出ると、株価は動いた方向にしばらく動く傾向があるので、エントリーポイントとしては絶好のチャンスとなります。

 

日柄調整を見極めるためには、以下のようなポイントを押さえておくと良いでしょう。

  • 株価が一定の範囲(レンジ)で横ばいに推移している時は注意する
  • レンジの上値(下値)は重要なサポート・レジスタンス(支持・抵抗)ラインとして機能することが多い
  • レンジの上値(下値)をブレイクするかどうかを注視する
  • レンジの上値(下値)をブレイクした時は、その動きが本物か偽物かを判断する
  • レンジの上値(下値)をブレイクした時は、出来高やボリュームなどのテクニカル指標を参考にする

 

調整相場を攻略する方法は?

 

ここまでは、「調整相場」とは何か? という基本的なことだけでなく、「調整相場」の種類や見極め方について解説してきました。

 

ここからは、「調整相場」を利用したトレードのコツや戦略について紹介していきます。

 

「調整相場」を利用したトレードのコツや戦略は、大きく3つあります。

 

1つ目は「値幅調整後の反発で買い戻し」です。

 

2つ目は「日柄調整中のレンジで売買」です。

 

3つ目は「日柄調整後のブレイクで追撃買い」です。

 

それぞれ見ていきましょう。

 

値幅調整後の反発で買い戻し

 

1つ目のトレード戦略は、「値幅調整後の反発で買い戻し」です。

 

これは、株価が大きく下落した後に反発したタイミングで株を買う方法です。

 

これは、株価が大きく下落した後に反発するという「値幅調整」の性質を利用したトレード戦略になります。

 

特に相場全体が弱い時にこの方法は有効で、売買のタイミングもわかりやすいため、投資初心者でも使いやすいトレード戦略として認識されています。

 

値幅調整後の反発で買い戻しをする場合、以下のようなポイントを押さえておくと良いでしょう。

  • 株価が大きく下落した後に反発した時は、その反発が一時的なものか本格的なものかを判断する
  • 株価が反発した時は、移動平均線やトレンドラインなどのテクニカル指標を参考にする
  • 株価が反発した時は、出来高やボリュームなどのテクニカル指標を参考にする
  • 株価が反発した時は、利益確定や損切りのタイミングを決めておく

 

日柄調整中のレンジで売買

 

2つ目のトレード戦略は、「日柄調整中のレンジで売買」です。

 

これは、株価が一定の範囲(レンジ)で横ばいに推移している時に、レンジの下値で買い、レンジの上値で売ることで、レンジの値幅を取りに行くトレード戦略です。

 

これは、株価が一定の範囲(レンジ)で横ばいに推移するという「日柄調整」の性質を利用したトレード戦略になります。

 

このトレード戦略を使う場合、日柄調整のレンジの値幅が大きいほど1回の取引で儲かる金額は大きくなります。

 

また、日柄調整の期間が長いほどトレードチャンスの回数は増えるので、日柄調整の期間中に意外なほど利益を積み上げていくこともできるかもしれません。

 

と、紹介してみましたが、わたしはこのレンジ相場での往復をとる戦略はあまり使いません。

 

レンジ相場での取引は、そもそも期待値が低いです。

 

値幅は小さくなることが多いですし、2・3回のレンジ内の利益を取れたとしても1回のレンジからのブレイクアウトで大きくもっていかれてしまい、その一撃でマイ転になることもザラです。

 

「理論上は」うまくいくはずのレンジ相場の上限下限逆張り戦略ですが、まぁ、利益になったことがないです。

 

これは、レンジ上限・下限の確認に2回のタッチを要すること、3回目・4回目からはレンジブレイクの可能性が高くなることに起因すると考えます。

 

思っているよりも期待値は低いということを頭の片隅に置いておいた方がよいのではないかと思います。

 

日柄調整後のブレイクで追撃買い

 

3つ目のトレード戦略は、「日柄調整後のブレイクで追撃買い」です。

 

これは、日柄調整が終了し調整期間の上値(下値)をブレイクしたタイミングで株を買う(売る)方法です。

 

これは、日柄調整が完了した後、株価が調整レンジを上下どちらかに抜けると、株価は動いた方向にしばらく動く傾向があるという「日柄調整」の性質を利用したトレード戦略になります。

 

特に相場全体が強い時にこの方法は有効で、売買のタイミングもわかりやすいため、投資初心者でも使いやすいトレード戦略として認識されています。

 

日柄調整後のブレイクで追撃買いをする場合、以下のようなポイントを押さえておくと良いでしょう。

  • 株価が一定の範囲(レンジ)で横ばいに推移している時は注意する
  • レンジの上値(下値)は重要なサポート・レジスタンス(支持・抵抗)ラインとして機能することが多い
  • レンジの上値(下値)をブレイクするかどうかを注視する
  • レンジの上値(下値)をブレイクした時は、その動きが本物か偽物かを判断する
  • レンジの上値(下値)をブレイクした時は、出来高やボリュームなどのテクニカル指標を参考にする
  • レンジの上値(下値)をブレイクした時は、利益確定や損切りのタイミングを決めておく

 

このトレード手法が1番大きな値幅を取れると私は考えていますが、1点だけ注意点。

 

このブレイクアウト手法、意外に負けることが多いです。

 

というのも、ブレイクアウトのだましという動きが多発するからです。

 

ブレイクアウトのだましというのは、レンジから抜けたかと見せかけて、すぐにレンジ内に戻ってくる値動きのことです。

 

レンジのブレイクアウト直後を狙うのは、意外に危険であることを忘れずに「完全にブレイクアウトしきったポイント」を狙って、追撃買いを入れましょう。

 

先にも書いたとおり、日柄調整からのブレイクアウトでは、長いトレンドが発生しやすいため、エントリーが多少遅れてもおいしいところは取れる可能性が高いです。

 

頭と尻尾はくれてやれ精神で、エントリーを一拍ずらすと勝率はグンと上がると思います。

 

最後に

 

当記事では、株式投資のテクニカル分析の観点から、「調整相場」とは何か? という基本的なことだけでなく、「調整相場」の種類や見極め方、攻略法について解説してきました。

 

いずれにしても、正攻法で戦うのではなく、少しだけずらすということを意識し、調整相場から大きく動くタイミングでのエントリーができるようにトライ&エラーを繰り返しましょう。

 

最後に念のために書かせていただきます。

 

投資は自己責任でお願いします。

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