私が株式投資を始めたころ、よく見ていたコンテンツが「おすすめ株」や「相場展望の解説」に関するYouTube動画です。
投資をスタートしたばかりの初心者の方は、大体通る道なのではないかと思います。
「とりあえず、何か銘柄を買いたい、でも、何を買えばいいかわからない、では、誰かのおすすめ株の中から検討してみよう」という流れは、ごく自然な気がします。
そして、大体の場合、痛い目にあいますwww
私も散々な目にあいました。
1番最悪だったのは、バフェット〇〇さんが公開した「ゴールドの時代がくるぞ~!!」的な動画をみて、2000ドルオーバーの天井つかみからの1600ドル台の底値売りしたトレードです。
まぁ、この件については、いまだにゴールドの時代はきていないので、どのような時間軸でのお話をされていたのかは謎ですがw
他にも参考に見ていたのが、Jumping Point!! の株Tubeさんの週末注目銘柄という動画です。
※有料会員やスクールに関して物議を醸しているようですが、私は実際に体験していないのでそれに関してはノーコメントということで・・・
こちらのシリーズ動画、いまだに毎週末に流し見しているのですが、かなりまともな分析をされているように感じます。
テクニカル分析もされていますし、株式購入の裏付けを増やすためファンダメンタルズの確認もされています。
信用状況なども確認されており、狙いのエントリーポイント、撤退ラインについても明言されているので、そこらへんのうさんくさい解説サイト(というか高額商材誘導サイト)より随分とまともな印象です。
私がテクニカル分析したとしても、同じような内容になりそうな印象です。
ただ、TwitterなどのSNSでは「嵌めこまれた~」ですとか「煽りが~」というような感想を目にすることがあります。
銘柄を記載しただけで「煽り」と言われてしまうと「あ、そうですか・・・」としか言いようがないのですが、扱っている銘柄は出来高の多いものが中心ですし、1万再生程度の動画で株価を釣り上げることは不可能だと思いますので、「嵌めこまれた~」や「煽りがひどい!」とか「本尊が逃げた~」という感想はお門違いな気がします。
ここで本題なのですが、なぜ、「嵌めこまれた~」や「煽りがひどい!」とか「本尊が逃げた~」という感想が飛び出してくるのか?ということです。
それが、記事タイトルにしました時間軸の考え方がずれているのでは?ということです。
Twitterで見かける相場展望に対して、「この前、買いとさわいでたけど、株価下がってるやん」という類のリプについても同様のことを感じます。
その相場展望や株価予想の時間軸を確かめましたか?
先に紹介させていただいたJumping Point!! の株Tubeさんの推奨株動画ですが、時間軸はどこに置いていると思われますか?
私の認識では、「デイトレード中心、持ち越しなしが基本ルール」です。
いわゆる、ド短期トレードを中心の時間軸として考えているということです。
ですので、週末に行ったテクニカル分析をベースに導き出した展望の見ている先は、どれだけ長くても2日後程度までということではないかと思います。
(違ってたらすいません・・・)
おそらく、スイングトレード(2~3日程度の短期保有)は想定していないのではないかと思います。
私が昔に失敗したトレードの中に、週末に公開された推奨株を週明け月曜日に購入して、週末まで保有し、大きめの損失を出したということがありました。
株価推移としては、月曜日は上がったものの週末に向けて下がっていくという感じです。
「嵌めこまれた~」とか「本尊が逃げた~」とおっしゃっている方のトレードは、私の失敗トレードと同じような感じではないでしょうか?
当時の私も「おまえ、ぜんぜん株価上がらないやんけ!!」と文句垂れ蔵になっていましたが、現時点の私が思うことは「そもそも、デイトレード軸で考えている推奨銘柄をスイングトレードするとかアホか」の1点のみ。
デイトレードは、1日の中で大きな利益を得ることが重要になるため、値動きの激しい銘柄を選択するのは常識中の常識です。
(個人的には、IPO銘柄の推奨についてのみ印象よくないです・・・)
値動きの激しい銘柄というのは、瞬間的に燃え上がり、すぐに燃え尽きるものが多いです。
長い時間盛り上がり続ける銘柄は本当に稀。
この瞬間的に燃え上がっているタイミングでの1日の中での安いところで買って、高くなったところで売りましょうというのがデイトレードの時間軸での考え方です。
数日間をかけ、日足の移動平均線を見ながら上げ下げをとるスイングトレードとは、根本的な考え方が違います。
自分の投資スタイルがスイングトレードである場合、Jumping Point!! の株Tubeさんの推奨株動画はスタイルの違いが原因で、うまくはまることはあまりないように思います。
デイトレード向きの銘柄は、1週間も経てば見向きもされないような出来高となり、株価が下がることが多いです。
文句を言っている方たちは、この株価が下がるタイミングだけスイングトレードでエントリーしてしまっているのではないかと思います。
勝負できるポイントは静観し、勝負にならないポイントで勝負しているという感じでしょうか。
逆パターンもあります。
長期投資目線の展望を信じて、短期トレードをしていませんか?
これもあるあるパターンだと思います。
Twitterで有名な株クラのアカウントが、2022年10月12日ぐらいから「長期目線で買い推奨」という趣旨のTweetをされたんですよね。
10月14日に日経平均が大幅反発し「おぉ、さすが」となり、10月14日のナイトセッションで大暴落し「お前、買い推奨ってさわいどったな、ざまぁ」みたいな雰囲気になっていました。
感想は一言。
「いや、長期目線って言うてるやん」
長期目線というのが〇年という期間の提示がない点はよろしくないとは思いますが、少なくとも1日、2日の値動きに言及しているわけではないということは認識しておいた方がよいと感じました。
長期目線でというのは「2~3か月後に株価は下がっているかもしれないけど、2~3年後にはいまよりも株価は上がっている確率が高いと思うよ」という認識です。
しかし、「長期目線で買い推奨」という言葉を信じて株を買った人は、2~3か月後に株価が暴落していたら、そこで投げてしまう人が多いのではないでしょうか。
「株価が上がるって言ったのに」という文句を添えて・・・
相場格言「頭と尻尾はくれてやれ」に通じるところなのですが、天底を当てるのは100%無理なので、天井「付近」や底値「付近」で売買するのが理想であり、長期目線の場合は「付近」の振れ幅(値幅)が大きくなるのは致し方のないことだと思います。
多少のことは耐えに耐えて、株価が上昇するのを待つのが長期投資ですので。
まぁ、相場展望通りに数年後に株価が上昇しているかは分かりませんが・・・
「長期目線で」という相場展望を信じて、目先の短期トレードを行うのは非常に危険という点は抑えておいた方がよいと思います。
長期目線の相場展望って意味あります?
ここからは余談ですが、正直、わたしは「長期目線の展望ってあまり意味はないのでは?」と思っている派です。
たとえばですが、4年前(2018年4月としましょう)に「長期目線で上昇する」と宣った方は、2年後の2020年3月に新型コロナショックが起きることを想定できていたかといえばできないですよね?
長期になればなるほどありえないことが起こる可能性は高まるわけで、それに対する展望もなにもあったものではない気がします。
2年後に第3次世界大戦がはじまっているかもしれませんしね。
5年後に日本国が沈没し、なくなっているかもしれませんし。
※日本沈没というマンガ、おもしろいですよ~
もし、そのようなことが起これば、いま「長期目線で買い推奨」と言っている方も「情勢が激変した!!売り目線に変更」と言い出すと思いますよ。
「なんのための長期目線やったの?」というね・・・
いや、その変わり身の早さこそ、優秀なトレーダーの証とも言えますがwww
結局のところ、その時々の情勢にいち早く反応し、ポジションの再構築をするしかないのが株式投資の世界というのが持論です。
最後に
ということで、相場展望や推奨株の言及についての「時間軸」の捉え方に関してつらつらと書いてみました。
私の知る限り、代表的な時間軸は以下のとおりです。
・スキャルピング(保有:1分~10分、参照チャート:1分足、5分足)
・デイトレード(保有:1時間~1日、参照チャート:3分足、5分足、60分足)
・スイングトレード(保有:2日~5日、参照チャート:日足、週足)
・中期トレード(保有:1週間~数か月、参照チャート:週足、月足)
・長期トレード(保有:1年~数年、参照チャート:月足、年足)
自分のトレードスタイルがどの時間軸に該当するのか、参考にしている相場展望がどの時間軸に該当するのかを確認し、時間軸が合致しているかを確認することは重要ではないでしょうか。
時間軸のずれを認識しないまま、相場展望を信じてトレードして失敗する事例は多い印象ですので、気を付けたいところです。
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